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<調理食し パズル化で 自然誌探求>

8. 骨格系用語一覧とその解説

誰でも分かるサカナの骨の話題

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<上位サイトへ移動:骨パズルTopPageへ>
サカナの「骨の名前」について
(暇なときに確認してね!)
ただし間違いや勘違いもあるかも
(その時は教えてね!)
PC画面の時はブラウザ縮小で参照して下さい

このシートでは「サカナの頭部骨格」に関わる専門用語とその解説を「できるだけ分かりやすく」を念頭としてまとめました(どうでしょうか?)。その構成区分は下記の「目次」です。

本編は「用語」の話なので、時間の余裕があれば、ともかくゆっくり読んでください!


(専門用語は後追いだよ!)

(少し不気味な画像でゴメン!)
でも名称/用語があるとホッとするね!?

 <本シートの構成:目 次>
 
下線文字をタップ
でその項目解説へ移動

 (頭部骨格9区分で確認はこの文字列)

0 はじめに:サカナの骨の様子/概要
A

神経頭蓋 シンケイトウガイ用語/解説

Neurocranium
ニューロ クレイニアム/クラニュウム

B

眼周囲部 ガンシュウイブ 用語/解説

Circumorbital reigion
サーキュムオービタル リジヨン

C

口蓋部 コウガイブ用語/解説

Palate region パレットゥ リジョン

D

舌弓-1 ゼツキュウブ 用語/解説

Hyoid region ハイオイド リジョン
舌顎骨・関節骨・方形骨)

E

顎部 ガクブ 用語/解説

Jaw region ジョー リジョン

F

舌弓-2, 3 ゼツキュウブ 用語/解説

Hyoid region ハイオイド リジョン
(4舌骨・基舌骨・尾舌骨・鰓条骨)

G

鰓弓部 サイキュウブ 用語/解説

Branchial arch region
ブランキーアル アーチ リジョン

H

鰓蓋部 サイガイブ 用語/解説

Opercular region
オパキュラ リジョン

I

肩帯 ケンタイ 用語/解説

Shoulder girdle ショルダ ガードゥル

J

腰帯 ヨウタイ 用語/解説

Pelvic girdle ペルビック ガードゥル

K

神経頭蓋を構成するについて

(神経頭蓋はたくさんの骨の塊)

L おわりの話題

1) 首と肩について

2) 鰓/鰓蓋(鰓蓋咽喉系)について

3) 胸鰭と腹鰭について

4) 骨と構造について

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<はじめに:サカナの骨の見方/考え方:概要>

この「はじめに」では、最初にサカナの骨の名称や用語について一般的な立場から説明します。その上で、その後に専門用語も加えながら、サカナの「骨格系の俯瞰的な考え方」の概要を示します。

なお、構造に関わるポイント/繋がりなどは既に「骨パズルTop Page の「1-a」などに記載したので移動/復習してください(ココをクリックでそのサイトへ移動します)。
・・・・・・・・・・・・・・・・

<サカナの骨の用語について>

名前/名称/呼称/用語の必要性は「何事も呼び名がないと困るから」と言うことも確かですが、例えば、食品パック「切り身の肉」に部位名称のシール/ラベルがないと誰でも食べるのは嫌ですよね(名前や部位が分かるとなんとなく親しみが湧くのかな?)。

例えば「タイのタイ」とは胸ビレの起部「肩甲骨/烏口骨:けんこうこつ/うこうこつ」ですが、そのような呼び方/呼称(こしょう)があるとなんとなく「おめでタイ」、その周りのお肉を食べる時はなんとなく有難い/安心ですね。それで短絡的ですが名称/用語はとても重要です。つまり、大切なこと/印象深い事にはいつのまにか別名や愛称やアダ名が付いていることと同じです(言語の特徴です)。

つまり、専門用語が必要と言うより、その状況をなんとなく「構造:要素の配置とその繋がり」として理解するため。その状況を通訳/代弁するには名称/呼称があると何かと都合がよいという経緯が「用語」です(だと思っています)。

このテキストではたくさんの用語を記述しますが、それで、読み進める時は自己流の呼び方でも大丈夫。専門用語が必要な時は、その経験値に応じて、きっと正しく「後追いしている」はずと思っています。

なお、サカナの骨の名称を知って「何の役に立つの?」という意見もありますが、サカナもヒトもその「構造」を考える視座視点やその用語はほとんど同じなので、下記の用語は医学用語?と考えても良いと思っています。 では、次にサカナの骨の概要を俯瞰的に解説します。

補足:ガイコツ・ズガイコツなど、一般的な呼び方は様々ですが、解剖学的には頭骨/トウコツであり、あるいは、頭蓋/トウガイ・頭蓋骨/トウガイコツという呼び方を使います。


<魚類骨格系の俯瞰的/全体的な考え方>

はじめに基本区分に応じて用語を列記します。その次が解説です。つまり、用語に慣れるには音読が不可欠です(音読3唱・呪文だよ!)。

なお、その昔、外国語を日本語に言い換えてできた専門用語「漢字」は誰でも理解できる「方向や位置、形や状態」などを語源するので、その意味を考えてみることも時には必要です。

ちなみに、日本語で「対象」を言い表す視座視点は次の9項目程度です。1) 部位・2) 形状・3) 名称・4) 繋がり・5) 区分/構成・6) 役割・7) 仕組み・8) 由来・9) その他/感覚的な事。つまり「これは何?」って質問されたら「それは・・・の話ですね!」として扱う/共有が可能な枠組みです。多すぎる場合は「形・役割・仕組み・由来」と考えて下さい。学習に不可欠な枠組み/視座視点です。では次が音読三唱。


1. 神経頭蓋(しんけいとうがい)

@ 鼻殻域(びかくいき), A 眼窟部(がんかぶ), B 耳殻部(じかくぶ), C 頭蓋頂(とうがいちょう), D 頭蓋底(とうがいてい), E 後頭部(こうとうぶ)
(詳細は目次項目Kに移動し参照です)

2. 内臓頭蓋(ないぞうとがい)

@ 口蓋部(こうがいぶ)、A 舌弓部(ぜっきゅうぶ)、B 上顎部(じょうがくぶ)、C 下顎部(かがくぶ)、D 鰓蓋部(さいがいぶ)、E 眼域部(がんいきぶ)
(上記の詳細も目次項目に移動し参照です)

3. 脊椎(せきちゅう) とその周囲

@ 脊柱(せきちゅう)、A 脊索(せきさく)、C 脊椎骨(せきついこつ)=腹椎(ふくつい)+尾椎(びつい)、D 肋骨(ろっこつ)

この「脊柱/背骨」付近の話/説明は下記の概要解説だけです(今回は上半身の話です)。

4. 附属骨格(ふぞくこっかく)

a. 肩帯部/けんたいぶ(胸ヒレに関わる骨)
@ 後側頭骨(こうそくとうこつ)、A 上側頭骨(じょうそくとうこつ)、B 上擬鎖骨(じょうぎさこつ)、C 擬鎖骨(ぎさこつ)、D 後擬鎖骨(こうぎさこつ)、E 肩甲骨(けんこうこつ)、F 烏口骨(うこうこつ)、G 射出骨(しゃしゅつこつ)  

b. 腰帯部/ようたいぶ(腹ヒレに関わる骨)
腰帯(ようたい)

c. 鰭骨格(ひれこっかく)
左右対称の対鰭(ついき)、つまり、胸鰭(きょうき/ムナビレ)と腹鰭(ふっき/ハラビレ)の起部は、四肢骨格(ししこっかく:陸上動物の手足)と同じように上記の肩帯(けんたい)と腰帯(ようたい)です。サカナの場合、その肩帯と腰帯に「鰭/ヒレそのもの」が繋がっています。その鰭は鰭骨(ひれこつ)の配列、つまり、太い棘のような棘条(きょくじょう)とやわらかい軟条(なんじょう)が配置し形を示します。
真ん中つまり正中面(せいちゅうめん)にある一つだけの鰭は、背鰭(はいき/セビレ), 臀鰭(でんき/シリビレ), 尾鰭(びき/オビレ)が基本です。それらを不対鰭(ふついき)と呼びます。不対鰭も対鰭と同様にそのヒレは棘条と軟条で形作られています。なお、不対鰭は体内に埋もれた担鰭骨(たんきこつ)が鰭骨の根元を支持します(上図を参照ですが、煮魚を食べた時に確認してね!)。

以上が骨格系の基本用語。時間がある時には漢字の意味も確認(身近な先生などに聞いてみることは有意義です!)。では、次は「コツ骨コツの概要説明」です。難しく思う時は無視してください(必要に応じて適当に読んでね!)。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

解説(かいせつ):魚類の骨格系/系統(こっかくけい/けいとう:skeletal system スケレタル スィステム)は、ヒトと同様に 内骨格(ないこっかく:endoskeleton エンドスケルトン)です。昆虫(こんちゅう)やエビカニなど硬い外皮(がいひ)を持つ甲殻類(こうかくるい)は外骨格(外骨格動物)です。

魚類の骨格系(内骨格)は、頭骨(とうこつ)と脊柱 (せきちゅう)が中軸骨格 (ちゅうじくこっかく:axial skeleton アクシアル スケルトン)、それに肋骨(ろっこつ:rib リブ)や(ひれ:fin フィン)やその基部を作る骨、つまり、付属骨格(ふぞくこっかく:appendicular skeleton アペンディキュラ スケルトン)が加わり、骨格系全体が構成されます。

 〔骨格系=中軸骨格+付属骨格

補足:昆虫やエビ/カニはキチン質でできた外骨格。軟体動物(なんたいどうぶつ)のタコ/イカには硬骨(こうこつ)はないけど軟骨(なんこつ)や(こう)がある。それらはヒトの骨と同じように結合組織(けつごうそしき)の成分です。ヒトの骨の多くはその最初は軟骨であり、その後に硬骨に置き替わります。そのことを軟骨性骨化(なんこつせいこっか)と呼びます。

硬骨(こうこつ:Bone ボーン)と軟骨(なんこつ:Cartilage カーティレッジ)には「骨」という字を用いますが、その主成分は全く違います(骨はコラーゲン線維とカルシウム、軟骨は透明なコンドロイチン硫酸などの糖蛋白が主成分)。つまり、軟骨が硬骨に置き換わる時には軟骨の周囲から細胞性の変化が生じます。

なお、骨は骨細胞が生み出すコラーゲン線維にカルシウムが密に結合したもの。例えば、酸などを用い骨からCaを全て除いても形は変わりません(コラーゲン線維は溶けないのでその形が残るため)。

なお、サカナの鱗/ウロコ(音読みでリン)は硬骨です(皮膚に埋もれた骨がウロコ)。それで生きている健康なサカナのウロコは直接さわることができません。ウロコの周りにはたくさんの色素細胞があるのでサカナはカラーバージョンが多彩です。

ちなみに、爪や髪の毛、亀の甲羅の上の角質の主成分はケラチン質(骨とは違い燃やすと臭いイオウ臭がします)。重複しますが、ウロコも含め骨は体から露出していません。ウロコのオモテ側には細胞層(上皮組織/ジョウヒソシキ)が覆っています。

鹿の角のように季節的に骨が露出する動物もいます。歯の表面のエナメル質は骨成分ではなく上皮細胞が分泌した成分と言われています。つまり、体は細胞シート(上皮組織)で包まれた構造体です。そのとっても薄い細胞層はウラ側の結合組織の成分(コラーゲン線維やウロコ)などで裏打ちされています(たぶん疑問がたくさん生まれてると思いますがその疑問は大切です!)。

また、骨格標本などを見ると「骨は白っぽい骨色」をしていますが、新鮮な骨は不思議なほどにかなり透明です。煮魚の骨も新鮮な場合は同様ですが、体外に取り出す、あるいは、加工すると水分などが変化し白っぽくなります。また、骨には脂肪分も含まれているので、空気に触れると徐々に酸化し茶褐色に変化します。

サカナの色について:体内の色は、黒っぽいメラニン色素(しきそ)、赤っぽいヘモグロビンとミオグロビン、緑の胆汁色素(たんじゅうしきそ:ビリルビン:これが壊れるとウンチの色)、深海魚などの目の奥の銀色のグアニン色素(腹腔内壁の銀色も)、あるいは、体外から取り込んだアスタキサンチン(サケの赤み肉の色)だけなので、その他は基本的には組織学的には無色?です。なお、体色はウロコ周辺にある色素細胞(5種類?の色素顆粒:黒・白・赤・黄・虹)の色です。ちなみに、エビカニなどの血液はヘモシアニンのため水色?。


下図は本編で取り上げる頭部骨格系の領域区分です。模式図の上をタップでその項目へ移動します(その部位の名称一覧と補足説明を列記します)。

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<A. 神経頭蓋 シンケイトウガイ>

Neurocranium 
ニューロクレイニアム/クラニュウム

(1) 神経頭蓋 しんけいとうがい Neurocranium ニューロクレイニアム

頭骨 (とうこつ:Skull スカル)は、背側の大きな塊「神経頭蓋」と腹側の「内臓頭蓋 ないぞうとうがい」 の2区分で扱われます。内臓頭蓋は神経頭蓋に懸垂(けんすい)する口蓋骨(こうがいこつ)と舌顎骨(ぜつがくこつ)の2つを起点にその構造を形成します。従って、神経頭蓋の側面中央(耳殻域 びかくいき)に関節する舌顎骨は「かなめ」の骨です。

しかし、頭部にあるのに「なぜ内臓頭蓋(ないぞうとうがい)って呼ぶの?」という疑問は至極当然です。その説明は次です。


解剖学が教える動物体の基本には「背側と腹側」の2区分があります。背側には体壁性器官(たいへきせいきかん)が多く、腹側には内臓性器官(ないぞうせいきかん)が配置するとイメージします。なお、体壁性とは体の壁(内臓などとは違い筋肉などに埋もれた雰囲気の場所にある)というニュアンスです。

つまり、背側には、感覚(かんかく)・神経(しんけい)・(きん)・骨格(こっかく)に関わる器官(きかん)が配置するとイメージします(受容→伝達→実施の順列です)。
また、腹側には、消化(しょうか)・呼吸(こきゅう)・循環(じゅんかん)・泌尿/生殖(ひにょう/せいしょく)に関わる器官臓器(きかんぞうき)がある(吸収→伝達→排出の並び)、という考え方です。
なお、これは動物生理の基本「2系6要素」の話ですが、細胞生理の基本も同様です。つまり、我々が考えることには「構造」に基づく基本的な枠組みがあり、そのことは学習の場で学ぶ対象です。本編の場合は「実演生物学Topシート」へ移動し確認してください。


つまり、頭部であっても顎などの骨は腹側?にあるので内臓頭蓋という話ですが、これでは混乱するので、次の補足が必要です。

つまり「ヒトもサカナも同じだよ」が学理であり、人を腹ばい/四つ這いにして口を前にするとサカナもイヌも同じポーズだよ!ということ。面倒臭い話ですが、こうして考えると便利な時もたまにはあるという話です(まるでクイズだね)。

なお、「考える基本の教え」は学問/学習の底辺であり、それは「平等や自由」を考える基本に繋がっています(これ以上書くと嫌われるのでやめます!:ごめん)。


ところで、マダイの肩帯(けんたい)や腰帯(ようたい)の基部は頭部にあるため、ここではとりあえず「頭部骨格系」として扱っています(頭部に手足や心臓もあるよって言ったらオバカって言われそうで悲しいですがそれでも本当です)。ちなみに頭部とは口の先(吻端)からエラブタの後端までと専門は教えています。

神経頭蓋という名前は中枢神経系(ちゅうすうしんけいけい)の脳などを納める頭骨という意味です。従って、神経頭蓋の表面にはたくさんの脳神経(のうしんけい)が飛び出す穴(神経管/口)があります(いくつあるのか調べてみると面白いはず:脳神経区分を暗記したい人にお薦めです)。

なお、脳函(のうかん)とは脳や聴覚(ちょうかく)に関わる三半規管(さんはんきかん)などを納める空間をつくる形のこと。また、神経頭蓋を構成する多数の骨は頭蓋骨(とうがいこつ)と総称します。 詳細は下記「I.」の骨格リストを参照。


(頭部9区分パネルへはココをタップです)

(2) 鼻骨 びこつ nasal ナーサル/ネイザル

鼻骨の上端は神経頭蓋の前に接合し、その下端は前上顎骨(ぜんじょうがくこつ)に近接します。 鼻骨周辺にはヒトと同じように大きな軟骨があり、鼻骨や神経頭蓋の前方の形を整えます。つまり、鼻腔(びくう)周辺には大きな軟骨があります。ちなみに、金魚鉢の金魚の口の上(上顎・鼻)を注意深く見ると「前上顎骨の上突起」が見えるはず。

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<B. 眼周囲部 ガンシュウイブ>

Circumorbital reigion サーキュモービタル リジヨン

(関連の模式図は説明の下に掲載しています)

(3) 涙骨 るいこつ
 lachrymal ラキーマル

(4) 眼下骨 がんかこつ
 suborbital bone サブオービタル ボーン
(複数の小骨で構成される)

(5) 軟骨性強膜 なんこつせいきょうまく
(あるいは眼窩骨 がんかこつ)
 otbiatl bone オービタル ボーン

(6) レンズ lens  
レンズは骨格系ではないが加温熱固定法で「球状」のまま摘出できる細胞性器官。

(頭部9区分パネルへはココをタップです)

補足:サカナのレンズ(水晶体)はビー玉状です。陸上動物(空気-角膜では屈折率が大きい)とは異なり、水の中は光の屈折率が低いので網膜焦点(もうまくしょうてん)のためには球状レンズが必要ということ。新鮮な解剖魚のそれは確かにビー玉。また、煮魚のレンズの周囲にある少し透明でゼリー状の部分はヒアルロン酸の「ガラス体/硝子体(がらすたい)」なので食べて美味しい健康食?です。ちなみに、レンズが透明な理由はクリスタリンというタンパク質でできているため(なお、レンズは細胞の塊です)。

眼球は太い視神経(ししんけい)で脳と繋がっています。眼球とその周りの黒い網膜(もうまく)/色素上皮を除くとやわやわの膜状の眼窩骨(がんかこつ)を取り出すことができます。

それを丁寧に取り出すと脳函(のうかん:脳を入れる部分)の大きな入り口/穴が出現するので脳や大きな耳石/扁平石(じせき/へんぺいせき)を取り出すことができます。その耳石は樹木の年輪と同じように年齢査定(ねんれいさてい)に使われます。

ちなみに、背骨の上にある棘(神経棘/しんけいきょく)の基部には穴があり、その穴(神経弓門/しんけいきゅうもん)には脳から続く脊髄(せきずい)が走ります(煮魚では乳白色の太い紐(ひも)のように見えます:引っ張ってみてください)。竹串を使いその穴に突き刺すと脳函まで到達するはずです。耳石は神経頭蓋を振るとカタカタと音がするので分かります。

前後しますが、マグロなどの大型魚の目のくぼみの眼窩骨(がんかこつ)はカチカチの硬骨です。しかし、普通のサカナの場合は薄い膜状なので取り出す時は注意が必要です。

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<C. 口蓋部 コウガイブ>  

Palate region パレットゥ リジョン
(関連の模式図は説明の下に掲載しています)

(7) 口蓋骨 こうがいこつ
 palatine パラティン

(8) 外翼状骨 がいよくじょうこつ
 ectopterygoid エクトテリゴイド 

(9) 内翼状骨 ないよくじょうこつ
 endopterygoid エンドテリゴイド

(10) 後翼状骨 こうよくじょうこつ
 metapterygoid メタテリゴイド


(上図:数字が口蓋、が舌弓-1)
(頭部9区分パネルへはココをタップです)

ヒトの口蓋(こうがい)とは口の中の天井の骨ですが、サカナの口蓋部の骨は「ほっぺ」あたり/目の下/側面の部分にある骨。サカナの口/顎も筋肉で動くので、その動きは口蓋部の骨のオモテ側にある筋肉が/も担当します。それでその筋肉はモリモリ(食味の時に美味しいね!って言う部分)。

余談:今、口蓋部の骨の「オモテ側にある筋肉」って言いましたが「上にある筋肉って表現」した場合、その部分はどこのことでしょうか?(混乱防止のためには方向性に取り決めが必要ですね)


<D. 舌弓-1 ゼッキュウブ>

 (関連の模式図は上図です)

(11) 舌顎骨 ぜつがくこつ
 hyomandibular ハイオマンディビュラ

(12) 接続骨 せつぞくこつ
 symplectc スィンプレティック

(13) 方形骨 ほうけいこつ
 quadrate クワッデュレイトゥ

神経頭蓋の耳殻域(じかくいき)と関節する舌顎骨は魚類頭骨の「かなめ」の骨。内臓頭蓋の始まりの骨。その舌顎骨は、(あご)との繋がり、口蓋部との繋がり、更に、鰓蓋(さいがい)との繋がりを示します。しかし、舌弓(ぜっきゅう)の観点から言えば、エラ/鰓弓の位置関係を決めるに不可欠な「かなめ」の骨です。

なお、ヒトでは、舌顎骨と神経頭蓋の関節の凹みが「耳の穴」になり、その舌顎骨は耳小骨(アブミ骨)に相当(相同関係)って言ったら「うそ〜!」って言われるよね。

その詳細は目次へ移動し「終わりの2」を参照してください。次の図は重複しますが、魚類頭部骨格系の「かなめ」の模式図のつもり。


(頭部9区分パネルへはココをタップです)

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<E. 顎部 ガクブ>

Jaw region ジョー リジョン

(関連の模式図は説明の下に掲載しています)

(14) 角骨 かくこつ
 angular アングラ

(15) 歯骨 しこつ
 dentary デンタリー

(16) 前上顎骨 ぜんじょうがくこつ
 premaxillary プレマキシラリー

(17) 主上顎骨 しゅじょうがくこつ
 maxillary マキシラリー


(頭部9区分パネルへはココをタップです)

補足:上顎(上顎骨)は頭蓋と接合していません。下顎との近接部も接合ではなく筋組織などで配置されています。それでサカナの口は前方に飛び出すことができます/自由に動きます。つまり「舌弓-1:舌顎骨・関節骨・方形骨」 が前に移動できる限界まで「口が飛び出す」仕組みがその構造(要素の配置と繋がり)です。内臓頭蓋の役割の一つがここにあるかもしれません(上顎が頭蓋と癒合したヒトは口が飛び出ませんが、そのかわり「舌」は自由に動きます)。

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<F. 舌弓-2,3 ゼツキュウブ>

Hyoid region ハイオイド リジョン

(関連の模式図は下図です)

(18) 基舌骨 きぜつこつ
 basihyal バシハイアル(不対骨)

(19) 尾舌骨 びぜつこつ
 urohyal ユロハイアル(不対骨)

(20) 下舌骨 かぜつこつ
 hypohyal ハイポハイアル

(21) 角舌骨 かくぜつこつ
 ceratohyal セラハイアル

(22) 上舌骨 じょうぜつこつ
 epihyal エピハイアル

(23) 間舌骨 かんぜつこつ
 interhyal インターハイアル

(24) 鰓条骨 さいじょうこつ  
 branchiostegal ray
 ブランキオステガル レイ(複数)


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<補足:舌弓について>

舌弓部(ぜつきゅうぶ)とは、神経頭蓋(しんけいとうがい)に関節する舌顎骨(ぜつがくこつ)を起点とし、その下端に繋がる一連の舌骨(ぜっこつ)、つまり、舌弓-2(間舌骨→上/角/下舌骨)→舌骨-3(基舌骨・尾舌骨) です(上図を参照)。

尾舌骨の上には5対の鰓弓(さいきゅう)が配置します。ただし、尾舌骨の上には、動脈球(どうみゃくきゅう)/心臓(しんぞう)から前方に飛び出た腹大動脈(ふくだいどうみゃく)が配置し、枝分かれした鰓弓血管(さいきゅうけっかん)となり、それぞれの鰓弓(さいきゅう)の後側の溝に沿って上方/背側に走ります。

鰓条骨(さいじょうこつ)は上/角/下の舌骨(舌弓-2)と接合し、その鰓条骨の先半分/後側は、エラブタ内側の下端縁で膜状に包まれ、エラブタ(下鰓蓋骨/間鰓蓋骨)に癒着しています(従って簡単に外れます)。

この骨パズル/テキストでは、取り出した骨の繋がりから、舌弓を-1,-2,-3として説明しています。すなわち、 舌弓-1は「舌顎骨→関節骨/かんせつこつ→方形骨/ほうけいこつ:この次は下顎」、 舌弓-2は「間舌骨→上/角/下舌骨と鰓条骨」、舌弓-3が「基舌骨/きぜつこつ・尾舌骨/びぜつこつ」です。

なお、ヒトの舌骨(Hyoid/ハイオイド)は下顎の下の首にある骨のこと(触ってごらん・甲状腺じゃないよ/その上)。その骨はU字型なので、ギリシャ語の「U」に形が似ているのでU/ハイオイドと呼称しています。従って、ヒトの舌の起部は首のU骨です。なお、サカナの口の中に見える「舌」のような部分は基舌骨(きぜつこつ)の部分です。

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<G. 鰓弓部 サイキュウブ>

(25) Branchial arch region
 ブランキーアル アーチ リジョン

(関連の模式図は説明の下に掲載しています)

サカナのエラ/鰓弓は左右対称で5対、前から第1、第2、・,・,・鰓弓と呼称される。その基部は不対骨の a. 基鰓骨(きさいこつ)、その上に下図に示すb,c,d,eが連続的に接続する。それぞれの骨の長軸背面は「U字型の溝」となっているので、エラ血管はその溝に沿って背面方向へ走る:それらが集まって背大動脈(はいだいどうみゃく)になり、脊柱(せきちゅう)の腹側に沿って尾部方向に走る。

口腔(こうくう)の奥/咽頭部(いんとうぶ)にあるf, g は石のように硬い咽頭歯(いんとうし)である。噛み潰す力がとても強いので生きているサカナの口の奥/咽頭は危険/キケンです。

(頭部9区分パネルへはココをタップです)

(25a) 基鰓骨 きさいこつ :不対骨
 basibranchial バシブランキアル

(25b) 下鰓骨 かさいこつ
 hypobranchial ハイポブランキアル

(25c) 角鰓骨 かくさいこつ
 ceratobranchial セラトブランキアル

(25d) 上鰓骨 じょうさいがいこつ
 epibranchial エピブランキアル

(25e) 咽鰓骨 いんさいこつ
 pharyngobranchial
 ファリンゴ ブランキアル

(25f) 上咽頭骨 じょういんとうこつ  
 upper pharyngeal アッパ ファリンギアル

(25g) 咽頭歯 いんとうし
 pharygeal teeth ファリンギアル ティース

補足:咽頭歯とは第4,5鰓弓にある石のように硬い鰓弓:食道の前、咽頭の上下に位置する。

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<H. 鰓蓋部 サイガイブ>

Opercular region オパキュラ リジョン

(関連の模式図は説明の下に掲載しています)

エラ/鰓弓を左右からカバーし、4枚の骨で作られるエラブタ/鰓蓋(さいがい)は硬骨魚(こうこつぎょ)に特有。

その始まりは、舌顎骨(ぜつがくこつ)の後長辺に強く接合した前鰓蓋骨(ぜんさいがいこつ)。その後ろが主鰓蓋骨(しゅさいがいこつ)ですが、その前上端には関節面があり、これも舌顎骨と関節しています。
鰓条骨(さいじょうこつ)は鰓蓋ウラ側の下端(下鰓蓋骨/間鰓蓋骨)で膜状に包まれ鰓蓋と接合します。

なお、煮魚では「舌顎骨と前鰓蓋骨」の接合が強いので、舌弓-1と前鰓蓋骨を一緒に取り出すことができます。


(頭部9区分パネルへはココをタップです)

(26) 前鰓蓋骨 ぜんさいがいこつ
 preopercle プレオパクル

(27) 主鰓蓋骨 しゅさいがいこつ
 opercle オパクル

(28) 間鰓蓋骨 かんさいがいこつ
 interopercle インター オパクル

(29) 下鰓蓋骨 かさいがいこつ
 subopercle スブ オパクル

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<I. 肩帯 ケンタイ>

Shoulder girdle ショルダ ガードゥル

(関連の模式図は説明の下に掲載しています)

神経頭蓋の後部に接合する「31.後側頭骨」を起点に肩帯のそれぞれの骨が腹側方向に連続的に接合/配列します(下図参照)。

その下端は心臓の下に位置します。31は側頭骨/ソクトウコツって名前ですが、頭蓋(とうがい)区分ではなく、肩帯(けんたい)区分です(つまり様態用語です)。
なお、肩甲骨(けんこうこつ)と烏口骨(うこうこつ:トリではなくカラスだよ)が俗に言う「タイのタイ」です。ヒトの肩甲骨に比べて小さすぎる肩甲骨ですが、その先には小さな骨を介して鰭骨(ひれこつ)が配列して「鰭の形」を作ります。

しかし、擬鎖骨/肩甲骨/烏口骨の窪みには大きな肉があり、つまり、胸鰭や腹鰭の基部は骨を動かす筋肉が発達しているため、大切な可食部です。美味しいね!と同時に大切です。


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(30) 上側頭骨 じょうそくとうこつ
 supratemporal スープラ テンプラル

(31) 後側頭骨 こうそくとうこつ
 posttemporal ポスト テンプラル

(32) 上擬鎖骨 じょうぎさこつ
 supracleithrum スープラ クレイスラム

(33) 擬鎖骨 ぎさこつ
 cleithrum クレイスラム

(34) 後擬鎖骨 こうぎさこつ
 postcleithrum ポスト クレイスラム

(35) 肩甲骨 けんこうこつ
 scapula スキャプラ

(36) 烏口骨 うこうこつ
 coracoid コラコイド

(37) 射出骨 しゃしゅつこつ
 actinost アクティナスト

補足(サカナのメデタイについて):おめでたい「タイのタイ」を収集する人もいるが、かなめの骨「舌顎骨 ぜつがくこつ」を収集することは自然誌探求に繋がるような気がします。
なお、魚類学はイクチオロジ、そのイクティスとはギリシャ語由来。欧米ではサカナつまりイクティスとは「慈愛や恵み」を意味/隠喩するらしい。その起源はキリストを意味するギリシャ語の略字。それでサカナは「慈愛を表象し魚座の意味」となる?:食べて美味しいねも大切であるが、森川海連環の表象として「サカナのことを考える」起点として、その「要の骨」も大切と思っています。慈愛と恵みと知性トレーニングのために!

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<J. 腰帯 ヨウタイ>

Pelvic girdle ペルビック ガードゥル

マダイの腰帯の前上には囲心腔(いしんくう)に収納された心臓(しんぞう)が位置します。

(関連の模式図は説明の下に掲載しています)

(38) 腰帯 ようたい
 pelvic girdle ペルビック ガードゥル

(39) 腹鰭の鰭条棘 フッキのきじょうきょく
 pelvic spine スパイン


(頭部9区分パネルへはココをタップです)

サカナの腰帯や肩帯と四肢動物のそれらの位置関係は興味深い。それについては「終わりに:3」でコメントしています(参照してね!)。

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<K. 神経頭蓋を構成する骨について>

一つ塊に見える背側の頭蓋(神経頭蓋)は、ヒトの頭蓋と同じように複数の骨が接合しその形を作る。難しい漢字「篩/シ・鋤/ジョ」もあるがそれらは様態用語であり、それぞれは、神経が通る小さな穴のある篩/シ(網状選別のフルイ)と農機具の鋤/スキに語源があるらしい(形が似ているから)。

日本語用語の語源は外国語の訳だけど、つまり、単純な様態用語です(専門用語ってクイズだね/考える道筋があるから周囲の教師に聞いてみるといいよね!)。

神経頭蓋その領域区分は下記6項目です。

@ 鼻殻域,  A 眼窟部,  B 耳殻部,
C 頭蓋頂,  D 頭蓋底,  E 後頭部


上図の番号付近をタップで移動します。
(戻る時はブラウザのリターンが便利)
(頭部9区分パネルへはココをタップです)

〔1. 鼻殻域 ビカクイキ〕
 olfactory region オルファクトリ リジョン

前篩骨 ゼンシコツ(1個)
 preethmoid プリエスモイド

篩骨 シコツ (1個)
 ethmoid エスモイド

中篩骨 チュウシコツ (1個)
 methethmoidメソエスモイド

上篩骨 ジョウシコツ (個)
 supraethmoidスープラエスモイド 1個

側篩骨 ソクシコツ (2個)
 lateral ethmoid ラテラルエスモイド

鼻骨 ビコツ (2個)
 nasal ナーサル

〔2. 眼窟部 ガンカブ〕
  orbital region オービタル リジョン

基蝶形骨 キチョウケイコツ(1個)
 basisphenoid バシスフェノイド

翼蝶形骨 ヨクチョウケイコツ(2個)
 pterosphenoid プテロスフェノイド

眼窟蝶形骨 ガンカチョウケイコツ(2個)    orbitosphenoid オービトスフェノイド

〔3. 耳殻部 ジカクブ〕
 otic region オティック リジョン

蝶耳骨 チョウジコツ (2個)
 sphenotic スフェノイド

翼耳骨 ヨクジコツ (2個)
 pterotic プテロティック

上耳骨 ジョウジコツ (2個)
 epiotic エピオティック

前耳骨 ゼンジコツ (2個)
 prootic プロオティック

〔4. 頭蓋頂 トウガイチョウ〕
  supuracranial region 
  スープラクラニアル リジョン

前頭骨 ゼントウコツ (2個)
 prefrontal プレフロンタル

頭頂骨 トウチョウコツ (2個)
 parietal パリエタル

〔5. 頭蓋底 トウガイテイ〕
 basicranial region 
 バスィクラニアル リジョン

前鋤骨 ゼンジョコツ (1個)
 prevomer プレボーマー

副蝶形骨 フクジョウケイコツ (1個)
 parasphenoid パラスフェノイド

〔6. 後頭部 コウトウブ〕
 
postcranial region
  ポストクラニアル リジョン

上後頭骨 ジョウコウトウコツ (1個)
 supraoccipital スープラオシピタル

間在骨 カンザイコツ (2個)
 intercalary インターカレリー

外後頭骨 ガイコウトウコツ (1個)
 exoccipital イクソシピタル

基後頭骨 キコウトウコツ (1個)
 basioccipital バスィオシピタル

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<L. おわり:話題>

<話題1:首と肩について>

1)サカナには首がない。つまり、肩の骨(肩帯の擬鎖骨/ギサコツ)が頭蓋の後頭部に接合するため頭は回らない。軟骨魚類のように肩帯が頭蓋から離れ、脊柱付近に後退するとサメは獲物を咬え頭を振る?ことが出来る(しかし、遊泳効率のため首はない。エイなどは座布団のような姿を示すのも面白い:つまり、首ができる/頭が回ると何かと都合が良い)。


2)重複するが、陸上の四肢動物には首がある。これは肩帯が頭蓋から離れていることに起因する。しかし、ヒトでも発生初期(咽頭胚のステージ)には首はなく鰓弓構造(体節構造/咽頭弓構造)を示す。そのステージでは心臓も頭部にあるが、首ができるステージの胎児の心臓は肩/腕(前肢)あたりに移動する。従って、動物の心臓はサカナもカエルもカメもトリもゾウもヒトも「前足」付け根の中央付近にある。

3)これらは全て、多分、古代の魚類が上陸のため水面上に頭を出し「エラなどの骨はいらないよ」状態になったためであろう(アカントステガなど)。つまり、それで、例えば、マダイのエラやエラブタの骨(鰓蓋咽喉系の骨)を取り除くとその部分が細くなり首になるのかなという話(発生学の話題?)になる。
しかし、古代魚の胸ビレや腹ビレはマダイやマグロなどとは異なり、サケやコイやシーラカンスのそれに近い。小難しい話を書いたが、それでも「えら/えらぶた:鰓弓咽頭骨」の構造は大切なので付記してみました。

補足(鎖骨・肩甲骨について):ヒトの肩の骨(鎖骨/肩甲骨)は脊柱/背骨にそのまま繋がっているわけではない。
すなわち、ヒトの腕の骨(上腕骨)は、肩甲骨→ 鎖骨→ 胸骨→ 肋骨→ 背骨の順で脊柱に繋がる。重複するが、背骨に関節し胸腔を包むヒトの肋骨を前でまとめる「胸骨:サカナにはないよ」の上端に鎖骨が繋がっている。
従って、細長い「鎖骨」が骨折すると腕は動かない(各種の筋肉は支点を失う)。なお、これらのことは自分の体を触って確かめてほしい。

ちなみに、トリには鎖骨という用語ではなく叉骨(さこつ)と書く鎖骨があり、それが肩甲骨/烏口骨-上腕骨で羽ばたくが、ヒトと同様に鎖骨を支点とし筋肉で補完される肩ができるため前肢を「左右上下」に動かし羽ばたくことができる。

しかし、四足動物の牛や犬などの前肢骨は肩甲骨にだけ関節し、背骨と繋がりがない(鎖骨はない。肩甲骨は筋肉で補完された遊離骨)。それで、前後動はできるが、普通は左右に四肢を開くことはない(牛や犬などが羽ばたくように前足を開く/動かすことはない:でも、それで早く走れる)。

途中で少しコメント:今現在の学習はヒト医学生物学に偏っているが「サカナもヒトも同じだよ」という立場が実演生物学です。つまり、「現実実体の枠組み」に加え「構造」や「動物生理の基本」という単純な話/概念/考え方に基づく「生物学の話し合い」の基本/学習プロトコールを提案しています。つまり、考えるには「収束した原型」が容易にイメージできる構造の典型が必要ですよね!

<話題2:鰓蓋咽喉骨系と耳>

陸上動物/四肢動物 (鰓呼吸をしない動物)には鰓弓鰓蓋部の骨(鰓蓋咽喉骨系)がない。さらに、それらの動物では、舌顎関節がない代わりその部分が穴(耳殻:耳の穴)になる。魚類の極めて重要なその舌顎骨はなんとヒトなどでは小さな耳小骨(アブミ骨)になり聴覚機能に寄与する。ツチ/アブミ骨の由来は顎骨系(第1咽頭弓)の骨かな(よく知らないけど、多分、関節骨や方形骨のこと?)。

魚類の第1鰓弓はヒトの舌骨複合体の一部に相当する。ちなみに発生学などで教える「咽頭弓と鰓弓」の順列番号は混乱するので注意(教師の教えで学んでね)。しかし、頭尾軸に沿って順番に「弓状に膨れた部分」に番号が付いているだけと考えれば何かと都合がよい。つまり、弓と弓と弓が並んでいる(ここまで読み進めれば当たり前の話ですよね)。

<話題3.胸ビレ腹ビレについて>

魚の胸鰭はヒトの前肢(腕/肩)に相当する。サケやコイ、それから、マダイやマグロの四肢(胸鰭・腹鰭)の位置関係を思い出してほしい。つまり、進化的に古いサケやコイの胸鰭/腹鰭は、マダイやマグロに比較し、腹側・後ろ側に位置する(両者のそれはかなり違う位置にある)。つまり、マダイやマグロの胸鰭は体側の側線付近にあり、サケやコイより上付きであり、マダイなどの腹鰭はほとんど頭部腹側にある(進化の目安となる)。
しかし、その基準をどのように説明するかがポイントであり、そのためには収束した原型/典型の経験値が必要である。それで骨パズルは他に変え難いリアリティーを提供すると考えている(疑問は大切にしてね:頭に手足があるって本当かな?って)。

<話題4. 骨と構造について>

骨そのものは「細胞に基づく体内構造」の一部であり複雑であるが、一般の方には単純に見えるかもしれない。「見やすいし分かりやすい」「でもそれなりに複雑」という点が良い。それで私も「古代色染色骨格系」を作ってみた。

しかし、サカナの骨のことを普通に考えてくれる人はあまり多くない(でも、慈愛と富と恵みのシンボル:ココをタップで肩帯の補足を参照)。

普通に言えば、大きな恐竜(骨)や小さな昆虫の姿は人を魅了する(子供は大好き!)。それらは シンプリ イズ ベスト の典型、つまり、人は子供の頃から「構造」という「意識」を持っていることの現れと思っている。プラモデルやレゴブロックも同じかな?

また、大人になっても植物は綺麗に加えフラクタルな構造を示す点が魅力的であるが、いづれにしても、人は「構造」が大好き!なのかな。

でも、そのことをなぜか学校では教えない(最重要な用語「構造」に母語としての定義はない?)。ちなみに「構造改革」って国家の旗頭であるが「要素の配置とその繋がり・繋がりは役割の起点」ということを考えているのかな?って時々思ってしまう。構造に基づく考察の視座視点はともかく大切、学習の基本概念として不可欠と思っている。

しかし、論より証拠、それでここでは、我々に最も身近なサカナ「マダイ」を材料に「構造」の話を素人ながらしているが、本当は、構造の表象に不可欠な「言語」のことも考えて欲しいと思っている。

日本語は癖のあるイメージ言語って言ってしまう自分がいるが、それでもともかく、論より証拠が必要と思っている。それで「骨パズルによる自然誌探求」作ってみた。つまり、構造に基づき「描き・見て・考える:話し合う」そのヒントである。

ちなみに、言語って「音」なので、長母音言語と短母音言語って大区分はあるのかな? それが構造の表象にも影響するのかな?(羽曽部の独り言)。

長々と書きましたが、以上で本シートは終わりです。 ありがとう:イクティスは大切です!

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以上でこのシートの記載は終わり